投稿者:SSSIA
日本酒を売る・開発する4つのポイント
多くの日本酒に携わっている人たちは、曖昧な微妙で神秘的な表現が好きだ。 商品の特徴を特定したり断言することを嫌うように感じられる。しかし、多くの選択肢(ワイン、ビールも含めた)から特定の日本酒を選んで売るためには、ある程度特定した市場に対してその商品を開発したり、提案する必要がある。これは造り手も販売者も同じだ。万人にうける商品や何にでも合うものは、あってもいいが説得力がない。
あの人は、どいういう人、と聞かれ「とてもいい人です」では、真剣に交際をしようとしている人に失礼なのと同じだ。
多くの消費者と日々接し、日本酒について提案しているとやはりセールストークには “落としどころ” というものがある。ここのポイントだけを抑えていれば大体は納得してもらえるものというツボだ。大きく分けると大体4つに集約される。
一つ目は、香りだ。まずは強弱(華やかかおとなしい)と特徴(果実、花、アルコール臭など)を伝える。
二つ目は、ボディー。甘さ、酸味、苦味以外にドライ感などのど越しの感覚を伝える。
三つ目は、食事との相性。ここではこれなら絶対負けない一番の料理を選ぶ。あれこれ言うとポイントがぼけるので、ずばり「サーモン刺身ならうちの酒に敵うものなし!」ぐらいがいい。
四つ目は、温度帯。なぜこの酒は冷(常温)、燗、冷酒が向いているのか?を理解してもらう。
これは、販売者だけに限らず、生産者も商品を開発する際に重要な点である。しっかりとしたビジョンで開発し、これならこの市場、たとえばビーフステーキ料理ならどの赤ワインにも負けない、くらいの日本酒がほしいものだ。そしてそれを伝えるきちんとしたマーケティング資料や商品パンフレットの文面に記載するべきである。
また、この4ポイントをメニューの中に生かしたり、従業員トレーニングにも生かしていただきたい。